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マッサージのし過ぎ

<最近来られた患者さんの症例>

 

<主訴>

 

・肩こり

・腰痛

・肩関節痛(可動域制限)

・頭痛

・背中の痛み(仰向けで寝れない)

・バネ指(患部のステロイド注射で軽減)

・手根管症候群(手術歴あり)

 

<経過>

 

・5年以上前からの症状であり、病院での診察では異常なし

 

・沢山の整骨院に通院し、マッサージを受けてきたが一向に改善せず

 

 

 

<当院でチェックの結果>

 

左右のバランスはあまり崩れていない(小脳機能検査など)

 

・アイソレーションテスト(アクティベータメッソド検査)で背部~頚部に問題個所

 

・血圧は降圧剤服用で安定している

 

・脈拍異常なし

 

<施術>

 

アクティベータメソッドのによる神経機能異常個所の調整

 

・レーザーによる星状神経節ブロック(交感神経緊張の緩和)

 

・マッサージを控え、筋肉の自然な修復を促す

 

・経過観察

 

 

<考察>

 

5年以上前からの症状であり、尚且つ週に数回のマッサージを受けていたということで、第一に筋肉の硬化(筋性防御)が考えられた。背部の筋肉の緊張が極度にきつく繊維化しており、仰向けに寝れないことも容易に判断出来た。

 

患者さんは、症状の改善を切に望み転院を繰り返してきたのである。しかし、どこに行ってもマッサージの繰り返しであった。それでは改善してこなっかた経緯を聞いたうえでである。

 

マッサージ自体を否定するつもりもないし、マッサージの技法も様々あることも理解している。軽い疲労回復や、リラクゼーション目的であれば何ら問題は無い。

 

少しキツイ言い方かもしれないが、何年も改善が見られないのに、同じ思考で流れ作業的にマッサージを繰り返してきた罪は重い。マッサージの技法を変えれば改善するという話ではないはずであるし、段階的にでも改善していないのであれば他院に紹介する方法だってある。精神的にも、肉体的にも、経済的にも大きな負担が患者さんにかかってきたことは言うまでもない。

 

現在、整骨院や整体院は過当競争であり、チェーン展開している大手の院も激増している。そこでは、技術の勉強そこそこで大部分が経営の勉強をしているのである。いかに患者さんに長期間通院してもらうか……。慢性症状の保険不正使用問題の温床でもある。

 

 

長々と書いたが、要は筋肉の触り過ぎは厳禁であること、気持ちいい事と治る事は違うこと。この2点に尽きます。