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野球肩

野球肩(リトルリーグ肩)のお話です。

 

野球だけでなく、バトミントンやバレーボール・テニスなど振りかぶる動作が多い種目で起きます。後ろに振りかぶった時、打った・投げた瞬間など痛みの発生するタイミングも様々です。

 

 

一般的なチェックと処置

 

<レントゲン検査>

 

・骨折(自家骨折) →固定

 

・骨端線離開(成長期) →固定

 

・脱臼、亜脱臼→固定

 

・滑液包の炎症 →消炎剤、ヒアルロン酸注射

 

・インピンジメント症候群 →アライメント調整、注射

 

 

<MRI検査>

 

・肩関節唇(軟骨)の損傷 →手術も検討

 

・腱板(肩を補強する筋肉)の断裂、損傷 →手術、超音波、マッサージ、筋肉トレーニング、アライメント調整

 

・長頭腱(腕の筋肉)の損傷など →注射、超音波、筋肉トレーニング、アライメント調整

 

 

厳密には、炎症や肩の動きを整える為に様々な方法がありますが、一般的に多いのはこの様な対処法です。

 

 

リハビリテーションや整骨院で肩関節や肩甲骨の動きのバランスの改善などはよく指導され、近年では、特に野球などのスポーツをしている場合は、かなり認識を持って投球フォームの改善に取り組んでいる方も増えています。それでも起きてしまった肩の傷害に対しては、痛みの除去だけでなく、再発の防止まで考えなければ長い年数使うことは難しくなります。

 

先に示した様に、一般的には投球フォームの改善、インナーマッスルの強化などが予防として行われていますが、肩などの四肢関節は脊柱の安定性(働き)や可動性が正常でなければなりません。これもよく行われている方法ですが、それは体幹トレーニングです。確かに体幹の筋肉を鍛えることは重要ですが、それを使いこなす神経の働きを整えることはさらに重要です。本来の原因は肩にある訳ではありません。

 

関節の神経機能異常は働きが過剰の場合と、減弱している場合があります。どちらに偏っていても良くありません。それを検査する方法は様々有りますが、その中でもアクティベータメッソドで行うアイソレーションテストは高い正確率(80%以上)があり、身体を動かしてみる検査や手で背骨の可動性を診る検査は50%の正確性だと言われています。検査としては低すぎます。一か八かの施術で、かえってバランスを崩してしまっている選手が多いのが現実です。

 

将来にわたってスポーツを楽しみたい、活躍したいとお考えの方は、早期から神経機能異常の改善・メンテナンスを行い消耗品である関節を出来るだけ長持ちさせることを考えて下さい。10代の頃に活躍出来た選手が20代になると急に活躍出来なくなるパターンは日本のスポーツ環境では頻繁にみられ、一貫した育成プログラムを各年代で共有できていないことが大きな理由です。

 

受け身の姿勢では自分の身体は守れません。